🇬🇧 Bad Company (バッド・カンパニー)

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スタジオ盤

Bad Company (バッド・カンパニー)

1974年 1stアルバム

 バッド・カンパニーはイングランドのロックバンドです。元フリーのポール・ロジャース(Vo)とサイモン・カーク(Dr)、元モット・ザ・フープルのミック・ラルフス(Gt)、元キング・クリムゾンのボズ・バレル(B)の4人で1973年に結成。ちなみにBad Companyとは「悪友」の意味。
 前身とも言えるフリーは英国や日本で人気を誇ったものの米国では受けなかったことから、バッド・カンパニーは米国受けするサウンドを目指したそうです。シンプルでアメリカンなハードロックで、しばらく米国のバンドだと勘違いしていました。そんな音楽性が功を奏して、本国英国以上に米国で人気を獲得して大ヒット。セルフプロデュース作となる本作は、全世界で1200万枚以上の売上を記録しています。

 オープニング曲「Can’t Get Enough」はストレートなロックンロール。スッカスカのサウンドですが、とてもキャッチーでカッコ良い名曲です。シンプルながら印象的なギターリフに、歌うようにご機嫌なベース、手数は多くないものの一撃一撃が力強いドラム。そしてロジャースの渋さを兼ね備えた力強い歌唱が強い説得力を持っています。続く「Rock Steady」はブルージーな1曲。サウンドは渋い…ですが、歌は結構キャッチーですね。ロジャースが高らかに「…And rock seady!」と叫ぶところが特に痺れます。カークのドラムも好みです。「Ready For Love」は哀愁漂うバラード。ロジャースの歌を引き立てる大人しめのメロウなサウンド。ただ時折力強くて、メリハリのある演奏で魅了します。アクセントとなるピアノも良いですね。「Don’t Let Me Down」はメロウでジャジーな楽曲。サビメロがビートルズの同名曲そっくりですが別物です。ボーカルデュオのスー&サニーをコーラスに起用し、またメル・コリンズのサックスも参加。これらが加わり楽曲は色気に満ちています。
 アルバム後半はバンド名を冠した「Bad Company」で開幕。派手さはなくて渋いですが名曲です。ロジャースの哀愁漂うソウルフルな歌唱。ピアノがリードし、盛り上げる部分は力強いドラムが締めるブルージーな演奏…。聴き惚れますね。「The Way I Choose」は湿っぽいバラード。哀愁漂うメロディが良いですね。続く「Movin’ On」は泥臭くもカラッとしたロックンロール。米国のバンドと勘違いするかのような楽曲で、キャッチーかつ爽快。ロジャースの歌声はとてもソウルフルで迫力があります。最後の「Seagull」はアコースティックな楽曲。アコギに乗る渋い歌声は空間に広がっていくので、なんとなく広大な荒野をイメージします。

 キャッチーさと渋さのバランスがちょうど良い、ストレートなロックで聴きやすいです。アメリカンな香りプンプンですが、ブリティッシュロックの名盤ですね。

Bad Company (Deluxe Edition 2CD)
Bad Company
 
Straight Shooter (ストレート・シューター)

1975年 2ndアルバム

 前作以上にアメリカンなロック作品に仕上がった本作もセルフプロデュース作となります。ジャケットアートにはデザイナー集団ヒプノシスを起用しています。前作には及ばなかったものの本作も大ヒットしました。

 オープニング曲「Good Lovin’ Gone Bad」は軽快でキャッチーなハードロック曲。サイモン・カークのドラムがとてもパワフルです。ポール・ロジャースの歌はかなりシャウト気味で、渋い歌声を聴き慣れていると若干違和感を覚えますが、でも勢いがあって爽快です。「Feel Like Makin’ Love」はアコギが牧歌的な雰囲気も醸し出しますが、途中エレキに持ち替えてヘヴィなロックを展開する、メリハリのある楽曲です。ミック・ラルフスのギターリフがカッコ良いですね。ストリングスで始まる「Weep No More」は何事かと思わせますが、イントロが終わると淡々としたロックンロールを展開。サウンドはさておき、歌メロが結構聴かせるんですよね。そして「Shooting Star」は本作のハイライト。ジミ・ヘンドリックスジャニス・ジョプリンジム・モリソンらが相次いでドラッグやアルコールで亡くなりました。そんな出来事に触発された歌詞だそうで、流れ星のように煌めき散っていくロックスターが描かれています。この曲の主人公も、最後はアルコールとドラッグで死を遂げるという…。サウンドはシンプルですが哀愁漂うメロディがとにかく美しく、コーラスワークでより切なさを際立たせます。泣ける1曲です。
 レコード時代のB面、アルバム後半は「Deal With The Preacher」で幕開け。泥臭いハードロックです。中盤一瞬トーンダウンして哀愁を醸し出しますが、後半はテンポアップするのでノリの良い楽曲という印象。続く「Wild Fire Woman」はファンキーな1曲。グルーヴ感のあるサウンドを聴かせます。「Anna」はメロウな楽曲で、ゆったりとしたテンポで聴かせるバラードです。ラスト曲の「Call On Me」は湿っぽくて陰鬱な雰囲気が漂います。キーボードの味付けにより、憂いのあるメロディを引き立てている気がします。

 前作よりも幅が広がりつつも、ガツンと響く曲は少し減った印象はあります。とはいえ「Shooting Star」がとにかく美しいので聴きどころですね。また、ジャケットアートも前作より好みです。

Straight Shooter (Deluxe Edition 2CD)
Bad Company
 
 

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